桃ゼリーさんの評価:
編集日:2021/05/29
情交描写は濃密だが……
母子の二人旅シリーズの本作は、母が自身の離婚話を息子に報告することが、物語のキモだった。母子相姦劇にとっては絶好の状況設定ながら、当初の期待値には届かなかった。本設定は、実はルビー社の競合する母子交尾シリーズの一作ですでに使われている。母子相姦の分野で、しかもロードムービーという表現スタイルまで同一だから、プロットまでが類似することが不思議ではない。監督がオリジナリティーを競うのはその演出だろう。その意味で今回、母が息子に抵抗しながらも躰を開かせられた後、一人大浴場で女芯のほてりを密やかなオナニーで慰める場面を加えたのは効果的で、主演の佐倉由美子嬢の熱演も含め評価したい。のみならず、本作の母子が濃密な愛戯を展開し、愛欲をたぎらせた点をよしとするが、「この旅行の間だけ」と限定したままでは、劇中、二人の情熱が見る者に今一歩伝わらない。興奮は高まらない。ネタばらしになるので、本作の最終的な決着には触れないが、母が「そこまでの決意」で相姦劇を締めくくるのなら、クライマックスの最終情交の時、単に「中出し」を求めるだけでなく、例えばなぜ、母に「もう離さないで!」としがみつかせたり、息子に「ずっと、ボクのものになって!」と抱きしめさせなかったのだろう。端的に「母の決意」が遅いから見る者が興奮する好機を失うのだ。ちなみに、母子交尾版では早い段階で母子の同棲話は決まり、母は情交の最中に、「お母さんをあなただけのモノにして」と叫んで仕上げの絡みを盛り上げた。母の決意を帰路にまで回す本演出が、物語に温かな余韻を与えたのを否定はしない。が、それよりも、小生は興奮のより高みに上らせてもらいたかった。
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