愛のひとつの形。
投稿者:観覧車 追加日:2020/12/08
自宅を訪問する医師と末期がん(多分)で明日をも知れぬ夫のふたりとも愛する庄司ゆり奈の妻の日常性が出ている表情が良い。私は登場人物のどちらに感情移入するかと思ったら、明日をも知れぬいのちの夫だった。隠れて男女の営みをされると妄想して苦しい。愛する妻の行く末を託す男とその男に好意を持っている愛する妻との行為を目の前で見るという事は、しっかりとバトンを渡せたという実感を持てるだろう。
病は無念なことだが、妻を愛するがゆえに死にゆく夫の気持ちは理解できる。究極の愛を感じるがゆえに興奮した。そして哀しかった。病に伏して動けない夫は足元での行為は見えないようだった。足元でなく並んで妻の顔が夫にも見えるように、見つめ合って3人の手が重なるようにして医師の言葉で「奥さまを幸せにします」と言いながら腰を動かし続け、妻も突かれながら「あなた。あなた」と言い続けるとより一層に三位一体のクライマックスを迎えられたであろう。そんな想像までしてしまった。